日本のベンチャーシーンはこれからが面白い理由



日本のベンチャーシーンはこれからが面白い理由

こんにちは。Goodfindを運営しているスローガン株式会社の代表をしている伊藤です。今回は、日米のベンチャーシーンの比較をテーマに書いてみたいと思います。

起業するかどうか?とかスタートアップ、ベンチャーで働くかどうか?みたいな話をしているときに、たまに出てくる話として、「シリコンバレーはすごいですけど、日本はダメじゃないですか?」みたいな話があります。

日本は環境が整ってないですし起業とかベンチャーで働くのは嫌ですけど、自分はシリコンバレーだったら起業したいです」みたいなことを言う人まで現れます。

この手の話に対して、私は猛烈に違和感を覚えるのですが、その違和感の正体をちょっと考えてみました。日本のベンチャーシーンの評価を結論づけるのはまだ早い、という話と、起業するならシリコンバレーより日本が良い、という話です。

日本のベンチャーシーン評価を結論づけるのはまだ早い

まず、一つには、シリコンバレーと日本を同等に比較すること自体に無理がある、という事実が見落とされているのではないか、という点です。

そもそも日本で、新興市場(すなわち、新興成長ベンチャー企業向けの株式市場)が登場したのは、2000年です。ナスダックジャパン(後のヘラクレス、新ジャスダック)、東証マザーズの登場というのが2000年前後ですので、実質的に、現代型のスタートアップ・ベンチャーの生態系のスタート地点は、日本においては2000年がスタート地点と考えられるのではないでしょうか?

もちろん、もともと日本は戦後の焼け野原から数々の中小企業が成長し、大企業に発展した歴史がありますので、日本のベンチャーシーンのスタート地点が2000年だと言うのは間違いなのですが、あくまで昨今の現代型(シリコンバレーと対比できるタイプ)の生態系の発端は2000年に求めるべきではないかと思うのです。

一方でアメリカはどうかというと、本家NASDAQ(ナスダック)は、すでに1971年に新興企業向けの株式市場として登場しています。実に日本とは30年近い差があります。※厳密には日本でも店頭市場はありましたので、そこまでの差があったわけではないと思いますが。

こうした背景があるのを無視して、「シリコンバレーはすごいけど、日本はダメ」というのは早計すぎますし、日本のベンチャーシーンに対する誤った認識を与えかねません。

発端から15年程度しか経ってない日本のベンチャーシーンと、40年近い歴史のあるシリコンバレーをはじめとするアメリカの新興成長企業のベンチャーシーンを比較するのは、野球に例えるならば、高1の高校球児と、メジャーリーグの大ベテランを比較するようなもので、それで、高1の球児をショボイよね、と言って落胆させようとするのは何とも大人げないというか、滑稽な話ではないでしょうか。

あと、5年-10年も経てば、日本の球児も20-25歳となり、メジャーリーグでも十分に戦える選手になっている可能性が高いと思っています。少なくとも、あと5-10年を待たずして日本のベンチャーシーンの成否を問うのは早計であると思います。

私が創業したのは2005年末ですが、その当時から9年経ちましたが、間違いなく日本のベンチャーシーン(生態系)は充実してきていますし、若い世代のシリアルアントレプレナーやエンジェル投資家も増えてきています。どんどんアメリカのベンチャーシーンとも比肩できる方向に近づいているのではないかと思います。

起業するならシリコンバレーよりも日本が良い理由

もう一つの違和感は、シリコンバレーなら起業したいけど日本では嫌だ、と言っている人は、起業の競争原理を理解していないのでは?という疑問です。

シリコンバレーはトップレベルのタレントが世界から集まり、優秀な人からどんどん起業する傾向で、人の採用でも資金調達でも競争相手がかなり手ごわいし、たいていのビジネスオポチュニティはすでに誰かが着手していて事業機会の隙間を探すのも難しいかもしれない。

一方で、日本はどうか。ここ10年で大きく変わりつつありますが、まだまだ、優秀な人は大企業や官僚、コンサル・金融などに行く傾向が強く、起業家の数もそこまで多くはない。VCの投資額も日本は米国の20分の1以下だと言われますが、それも、起業家の数が少ないからであって、お金は余っているので、もっと優れた起業家が増えれば投資額も増えることでしょう。

つまり、競争環境を考えたら、日本で起業した方が成功する可能性が高く、良いはずです。もちろん、すでに起業経験があって、年商数十億の会社なら作った経験があって、国内は日本市場の限界も感じてるので、今度はもっとデカいスケールでグローバルなビジネスで勝負したいから海外でやりたい、みたいな人は別です。起業したことがない人で日本語ネイティブな人だったら、日本で起業した方が良いでしょう。

勝手に日本は起業環境としてはダメ、みたいな評論・批評をして、自分がチャレンジしない理由を正当化しているだけだとしたら、とてもつまらないなと思うのです。

日本のベンチャーシーンはこれからが本当に面白い

日本でもスタートアップやベンチャー企業が新産業を創りつづけるエコシステムをつくるために、私たちスローガン株式会社はグロースヒューマンキャピタルをコンセプトとした事業をやっています。

小さいながらも、確実に変化を生んできたという自負もあります。元々学生だったユーザたちが起業したり、大企業からベンチャーに転職したり、元々クライアントだった採用企業の創業者が引退して、シリアルアントレプレナーやエンジェルになったり、そうした事例がどんどん私たちの周りに出てきています。

スタートアップに興味はあるが、どうやって探せばよいか?という方々も多いため、自分のイメージ・志向に合致したスタートアップを探すお手伝いをするスタートアップファインダーというサービスをこっそりと(笑)リリースしました。少しでも皆さんがスタートアップ・ベンチャー企業にチャレンジする一助になればうれしいです。

日本のベンチャーシーンの5年後-10年後が楽しみです。