世界に通用するアフリカ発のITベンチャー企業7選!




 

アフリカと聞いて皆さんは何をイメージするでしょうか?

学校でならった”最貧国””砂漠””奴隷”などのキーワードが根強く残っている方も多いと思いのではないでしょうか?

確かにアフリカにはそのような一面はまだ残っています。が、しかしながら今アフリカは世界の投資家や各企業が投資を行っているラスト・フロンティアとしての地位を確立しつつあるのです。実際にドイツのロケットインターネットやIBM、Ciscoなど世界の名だたる企業が投資をしています。

アフリカの投資家と起業家をつなぐプラットフォームであるVenture Capital for Africa(VC4A)のレポートには、ケニアやナイジェリアが特に多くの投資を得ているとあります。そうはいっても、今はまだこうした一部の国が投資家の注意を引き付けている段階であり、この流れは大陸全体には広がっていません。それ故、投資額はシリコンバレーの基準と比べるとまだまだ小さいです。しかしラスト・フロンティアとしてのアフリカへの投資が広まりつつあるという事実自体が重要だと言えるでしょう。

投資が広まり始めた背景には、インフラ整備、経済改革、治安の改善など様々な要因があります。(ZooOnlineの記事で説明されているので読まれるとより理解が深まります。)

そしてその中でも大きな要因と言えるのが、インターネット事業の急速な拡大成長です。

実際に多くの投資を得ているケニアではサファリコムの存在が投資の後押しをしていると考えられます。サファリコムはケニア最大の携帯会社です。同社は絶妙な価格設定と携帯電話を通じた電子マネーであるM-pesaを通じて急速にシェアを拡大していきました。2011年の段階で1810万人の加入者を保持しており、ケニア人口が4000万人である事を考えると現在は半数を超える人がサファリコムの携帯を使っていると考えられます。また通信エリアもかなり広がりを見せているようで、野生動物が存在するサバンナのど真ん中でも電波が通っているのです。同社の存在もアフリカの地にモバイル端末をもたらした大きな一因なのです。

携帯電話が普及するのに伴って、ますますインターネットが普及すると考えられます。これこそがアフリカに投資が集まる理由になっているのです。

そこで今回は世界の投資家や起業家を魅了しているアフリカのベンチャー企業を一挙にご紹介したいと思います!

 

【コミュニティの創造を通してイノベーションを生み出す】Afrilab

Afrilabは起業家、スタートアップ、テクノロジー系のコミュニティをつなげるコワーキングスペースです。

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同社の目的は、アフリカ中にいるテクノロジー系の優秀人材を繋げる事でテックシーン(イノベーション)を創出する事です。コワーキングスペースでありながら手がける事業領域は幅広く、スキルやノウハウ、ベストプラクティスの共有や、スタートアップや企業家のサービス支援。ネットワーキングイベントなどを具体的に行っています。

14のハブをアフリカ中に持っており、各国のシード、アーリー領域のビジネスを支援しイノベーションを促進しています。最近になって耳に入るようになったケニアのiHubやウガンダのHive Colab、セネガルのBanta LabsなどもAfrilabの拠点です。こうしたハブを作る事で国境という制約に縛られず、優秀な人材の連携が可能になるのです。

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ケニアのIHUBは創立からわずか3年で1万人以上のメンバーを抱え、150ものスタートアップを生み出してきました。まさにHUBと呼ぶにふさわしい、ビジネスパーソンやテクノロジー系人材のコミュニティになっています。

 

【情報の収集・管理・提供を通して安全を守る】 Ushahidi (ケニア)

Ushahidiは情報の流れを変える事をミッションとしたケニアの注目スタートアップです。

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現地の言葉であるスワヒリ語で「Ushahidi」は「証言」という意味を持っています。その名の通り、暴力行為に関しての情報を地図に乗せたサービスを展開しており、データ収集、データ管理、データの視覚化を通してユーザーに情報を提供しています。

データ収集においては、E-mail、Twitter、アプリ、SMS(Short Message System)などからデータを集めています。モバイルを使っている事からいつでも、どこでも、そして誰からでも情報を集める事が出来るのです。また独自のアルゴリズムを使ってユーザーに関係がある可能性の高い情報を提供しています。更にどこでどんな事件や事故があったのかなどの情報を地図上(Google Map上)にマッピングしてくれ、それを自動で通知してくれるので危険を事前に察知する事が出来ます。

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また現在は従来の情報サービスのノウハウを生かして、特定ユーザーの情報分析をするソフトウェアの制作もしています。

 

 【アフリカ発の世界に通用するメッセンジャーツールを!】Saya (ガーナ)

Sayaはアフリカで流行しつつあるメッセンジャーツールでした。

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「でした」といったのは、Sayaは2014年の段階でアメリカのKirusaという企業に買収されているからです。

Kirusaは音声でチャットが出来るInstaVoiceというサービスを行っています。(SayaのリンクをクリックしていただければInstaVoiceへ飛べます。)

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Sayaはフィーチャーフォン、いわゆるガラケー用のチャットツールですが、LINEに似た感覚で操作が可能でした。モバイル端末が普及し始めた昨今だからこそ、このSayaも大きなポテンシャルを秘めていたのでしょう。ガーナのインキュベーターであるMestに支援をしてもらう事で、全世界で5万人のユーザーを抱えるまでになっていました。そこに目を付けたKirusaが話を持ち掛けたようです。

Sayaの元CEOであるロバートは「アフリカの威信にかけても、アフリカ発の世界水準のプロダクトを作りたかった。Kirusaに仲間入りする事は次へのステップだと思っている。」と前向きな発言をしています。KirusaはSayaのサービスとともに、人も買い取ったので、元SayaメンバーはKirusaの中で、アフリカの多くの人々が相互につながるサービスを手掛けたいと考えているようです

 

【選択肢の幅を広げる】 PriceCheck (南アフリカ)

PriceCheckはアフリカ全土で一番使われている価格比較サイトです。「アフリカのカカクコム」と考えればわかりやすいですね!

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ここでは数千のショップから、数百万もの品の価格比較をする事が出来ます。実際のサイトはECサイトに似ているのですが、ECの機能は備えていません。その代わりに「Offer」ボタンを押す事でECサイトの商品ページにリダイレクトされます。そこで気に入った商品を買う事が出来るという仕組みになっています。

また同社は2013年大手携帯会社ブラックベリー主催の「今年のアプリ」カンファレンスで優勝し、新たに10万人の顧客を得た事で、非常に勢いのある企業です。次に打ち出す施策はECサイトの構築でしょうか?それともカカクコムのように違ったジャンルを攻めていくのでしょうか?

急激に伸びているPriceCheckが今後どのように変貌を遂げていくのかに要注目ですね!

 

 【アフリカ最大のECサイト!】Jumia(ナイジェリア)

Jumiaはアフリカ最大のECサイトです。いうなれば「アフリカのAmazon」ですね。その領域も広く、エジプト、ケニア、ナイジェリア、コートジボワール、モロッコなどに進出しています。

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このECサイトを実際にのぞいて見ると、最も売れているブランドの欄に”Apple”、“Casio”、”Nikon”、”サムスン”、”Microsoft”など日系企業から世界の名だたる企業の商品まで扱っていることがわかります。またサイトのデザインも非常に美しく、サイト内を回遊しているだけで新たな事と出会えるので、ウキウキした気持ちになります。途上国という事を感じさせないサイトになっています。

同社は2013年にはSummit Partnersから2600万ドルの投資を受けており、これからさらにシェアの拡大に乗り出していく事が伺えます。アフリカのAmazonとして更に多くの人に多くのモノを届けてほしいですね!

 

【どんな端末でもスマホ並みのインターネット接続スピードに!】biNu(南アフリカ)

biNuはモバイルアプリです。これを使う事でインターネットのスピードが10倍速くなります

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アフリカでは近年スマートフォンの利用者も現れ始めていますが、それはまだ少数派だと言わざるを得ません。わずか15%ほどの人しかスマートフォンを所有していません。一方従来型のフィーチャーフォンはどうかというと、国によってもばらつきはありますが2014年の段階で6割~9割の人が所有しているというデータがあります。しかしながら従来型の携帯電話ではインターネットの接続がいかんせん遅いのです。

そこで登場したのがこのbiNuというわけですね。どのタイプの携帯でも、言語でもインターネット接続を素早いものに変える事が出来る優れものです。

同社のミッションは「Connect the next billion」。つまりまだインターネットに繋がっていない人々をインターネットの世界に招待する事をミッションとしています。そしてアフリカにおいて同社のミッションはかなえられ得つつあります。サバンナの真ん中やマサイ族もインターネットにつながるようになっているのです。

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Iroko Partners – ナイジェリア

「Bringing Internet TV to Africa」が明示しているように同社のミッションは、インターネットTVをアフリカにもたらす事です。そのミッション通りアフリカのエンターテインメントを提供するサービスを行っています。

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「西洋はNetflixやHuluといったオンラインTVがあるのに、アフリカには何もないじゃないか」という同社代表の思いからスタートした事業は、現在では178か国、600万人を抱えた巨大サービスへと急成長を遂げ、「アフリカのNetflix」と称されるまでになっています。

様々な種類のテレビシリーズや映画などを、いつでも、どこでも、誰とでも見る事が出来るようになっています。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

アフリカにも面白いビジネスがたくさんありますね。しかし感じてしまうのが、「どれも先進国のビジネスモデルのアナロジーである」という事です。つまり現時点でアフリカは、世界の最先端テクノロジーには追い付くことが出来ていないのです。既存のビジネスモデルを基に新たな事業を始める事自体は日本でも多く見られる事ですし、それで成功している事自体は評価されるべき事です。

しかしながら私個人としてはいち早く全てのアフリカの人々にインターネットがいきわたり、アフリカから世界を代表するビジネスやサービス、プロダクトが生まれるようになってほしい!と思ってしまいます。アフリカ発のサービスが世界を変えた!という未来をぜひ見てみたいものです!

これからのアフリカに目が離せません!

 

※ヨーロッパのスタートアップについても知りたい方は「シリコンバレーに負けていない!欧州5カ国から読み解く「ヨーロッパ発ベンチャー」の動向」をご覧ください。

参考:Rising Africamemeburn日通ペリカントラベルネットThe Bridgeトウキョウエンジン日経ビジネスIt News AfricaFast CompanyForbes WebInstaVoiceYahooニュース