【ものづくり特集 第4回】アディティブ・マニュファクチャリング?新たなモノづくりと最新事例




 

皆さんはアディティブ・マニュファクチャリングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは、立体物の輪切りにした断面データをもとに、樹脂などの薄い層を積み上げて立体物を製作する技術の事を指します。また積層造形とも言われたりします。

いわゆる3Dプリンターで使われる技術ですね。3Dプリンターと聞くと「もう知っている」と思われる方もいらっしゃると思いますが、出来る事も日々進化しています。2012年の段階ではチタンですら整形できるようになってしまいました。3Dプリンターを取り巻く現在の状況は大きく変わっていると言ってもいいでしょう。

そうした現状を踏まえ、今回は以下の3点を見ていきたいと思います。

  • 3Dプリンターとは何か
  • 3Dプリンターを使って現在どのような事が出来るのか
  • 3Dプリンターを使った最新事例

では見ていきましょう。

 

1.3Dプリンターとは何か

もう知っているかと思いますが、3Dプリンターとは立体物のデータをもとに、樹脂や金属などの薄い層を積み上げる事で、データ通りの立体物を作れる装置の事を指します。(以下のようなものです)

 

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最近になって有名になりましたが、実は3Dプリンターは1980年代から実用化されています。それから30年近くたった2010年ごろには基本特許が切れたのに伴って個人向けの3Dプリンターが低価格で提供されるようになったのです。現在、安いものだと50000円くらいで買えるものもありますね!

特に試作の段階で使われることが多いのが特徴的です。

 

2.3Dプリンターを使って出来る事

3Dプリンターは主に3つの事が出来ます。

  • 完成品を作る
  • 外装部品やパーツを作る
  • カスタマイズされた部品を作る

具体的に見ていきましょう。

 2-1.完成品を作る

また3Dプリンターを使う事で今までは作れなかった形も作る事が出来るようになりました。

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上の画像は、3Dプリンターで作ったランプシェードです。このように非常に複雑な形状も作る事が出来るようになります。

また3Dプリントサービスを行っているシェイプウェイズのカテゴリーを見ると、以下のような物を作れるとわかります。

  • ガジェット(ドローンの分品、メカニカル部品、ロボットなど)
  • ゲーム(さいころ、ボードゲーム、玩具、パズルなど)
  • アート(数学的、流行りもの、彫刻など)
  • ホーム(アクセサリー、ライト、ダイニングなど)
  • ミニチュア(電車模型、自動車、、縮尺模型、家具、フィギュアなど)
  • ジュエリー(指輪、ペンダント、ネックレス、ブレスレット、イヤリング、カフスなど)
  • アクセサリー(ケース、キーチェーン、ベルト&バックル、など)

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アクセサリーなどを見ると、樹脂だけでなく、金属の製品も可能だという事が理解できます。

3Dプリンターで作れるモノの幅が広がっている事がご理解いただけたと思います。

 

2-2.部品を作る

3Dプリンターというと完成品を作るイメージが強いかと思いますが、外装部品や一部のパーツを作る例も多くあります

例えばジェットエンジンの燃料噴射装置です。これは内部構造が複雑で、従来は6つの部品を組み合わせて作っていました。しかし3Dプリンターを使う事で、この部品を一気に作る事が可能になると共に、一つのモノとして作り上げた事で、強度も向上したのです。

つまり時間的コストを抑える事が出来ると同時に、質も向上するというわけです。

 

2‐3.カスタマイズされた製品を作る

皆さんはhandiii(ハンディー)という筋電義手をご存知ですか?これはexiii(イクシ―)というメイカーズが作っているものです。(メイカーズについて詳しく知りたい方は、ものづくり特集第1回 メイカーズとは何か?誕生の理由とその強みで解説してありますので、ぜひご覧になってください。)

 

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筋電義手とは筋肉の信号を使って思い通りに動かすことの出来る義手です。exiiiが作ろうとしているのは、従来の義手よりも軽く、スマートフォンで動作制御できる優れものです。価格も15万程度と、一般消費者にも手の届く値段にすることをミッションとしています。

画像を見ればわかるでしょうが、handiiiは義手であることを隠すためのものではありません。洗練されたフォルムで非常にデザイン性が高いのが特徴です。

このデザインは世界的なデザインコンペティション“iF Design Award 2015”で最優秀賞を獲得すると共に、handiii自体は“ジェームズ ダイソン アワード2013”では見事第2位になっています。

また義手をつける人の腕の形に合わせて1つ1つ作っても単価はさして変わらないため、カスタムメイドでも安価につくれるというわけです。義手自体はニッチな市場ですが、パーソナライズして適量生産し、グローバルで販売する事で十分にビジネスとして十分に成立します。

こうしたカスタマイズされたモノも3Dプリンターでは作れるようになるのですね。

 

3.3Dプリンターを使った最新事例

Exiiiの他にも3Dプリンターを使って面白いものは出来ています。

実際に見ていきましょう。

 

3‐1.スポーツ領域での活用

スポーツ領域で脚光を浴びているのは“DFM01 OUSIA(ジーエフエム01 オージア)”です。これは3Dプリンターで作られたロードバイクです。


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見ての通り、デザイン性が非常に高いです。幾何学模様を使ったフォルムは非常にスマートに感じられます。またデザインだけでなく、この自転車は競技用車両規格に適合したレースにも耐えうる強度を持った自転車です。。最終的には各種センサーのモジュールを加えていく事で、ドライブレコーダーのような機能を付ける事を予定しているそうです。3Dプリンターを使って製品を作っているので、その人の骨格に合わせたパーツにすることもできるとの事。

これも個人によってカスタムメイド出来る例の一つですね。

(モジュール化について詳しく知りたい方は「モジュール化とは?製造業の変遷と日系大手企業の凋落」に詳しく記載してあるので是非読んでみて下さい。)

 

3-2.医療領域での活用

またこれはまだ研究段階ですが、医療の現場でも3Dプリンターが使われ始めています。生きた細胞から構成される立体的な構造体を製作する技術です。

例えば、血管の細胞で制作した人工の動脈を動物へ移植する実験なども行われているようです。

今はまだ研究段階です。今後に期待したいですね1

 

3‐3.グルメ領域での活用

グルメの分野でも3Dプリンターは出てきております。その名もPancakeBotです。

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これは自分でデザインした形のパンケーキを作れるという3Dプリンターです。

以下のようなパンケーキができます。

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とても面白い視点ですね。3Dプリンターを使ってとてもユニークな事が出来るようになっているという例の一つです。

また、3Dプリンターを使って本格グルメを楽しむ時代もやってくるかもしれません。非常に楽しみです!

 

4.まとめ

いかがだったでしょうか。

3Dプリンターで出来る事の幅はかなり増えてきています。しかしまだ大量生産などには対応していません。

3Dプリンターはより複雑な形を持ち、一品モノを連続するような分野と親和性があるのです。

つまり、グローバルニッチを狙うメイカーズとも非常に親和性が高い事が分かります。今後ますます進化していく3Dプリンター。そしてそれをどのようにメイカーズが使っていくのでしょうか。

これからの動きが非常に楽しみですね!