未来はどうなる?位置情報サービスの進化に迫る!



 


 

2014年3月の段階でスマートフォンの一般世帯普及率は54.7%になり、すでに50%を超しています。(内閣府経済社会総合研究所の「消費者動向調査」)

 

以下の表はスマートフォンを活用した主な測位技術とその概要を示したものです。(「ITロードマップ2015」参考)

プレゼンテーション6

こうした測位技術を通してユーザーの位置情報や活動情報を把握できるようになってきました。ですが地下や建物の中で使用できないなど、まだまだ制限がある事は周知の事だと思います。

 

しかし最近、そのような不便がなくなるとの説が濃厚になってきています。そこで今回はそれらの不便を解消し、また新たな位置情報サービスを生み出す可能性のある

  • iBeacon
  • 可視光測位
  • 地磁気測位

について現在と今後のサービス事例を踏まえてご紹介したいと思います。ビジネスの分野でも使われる事が主流になっていくと思いますので是非ご覧ください。

 

1.iBeaconの活用

 

iBaeconとは2013年にAppleが開発した位置検出と近接検出の技術です。これ自体は一定間隔で電波を発するだけの端末なのですが、この電波をキャッチする事が出来るスマートフォンとセットで使う事で、電波の届く範囲への入退室やiBeacon端末との大まかな距離測定が可能になります。

 

ibeacon-blog

 

これによりGPSでは難しかったピンポイントの位置把握が可能になります

 

以下ではiBeacon使ったサービス事例について見ていきましょう。

 

1‐1. O2O、オムニチャネル等の販促支援での活用

 

最近iBeaconを使ってより個人に特化したマーケティングをしようという企業が出てきています。例えば、iBeacon端末にユーザーのモバイルアプリが反応する事で商品のプッシュ通知やクーポン配布が出来たりするのです。

 

米国の食品メーカーであるHillshire Brandsは2014年4~6月まで当社のソーセージを対象として、iBeaconを使った販促を行いました。その結果商品の購買意向は20倍に上昇し、ブランド認知度は36%も増加しました。

 

このようにO2Oやオムニチャネルでの活用は非常に有用だとわかります。

(オムニチャネルについて詳しく知りたい方はセブンイレブンが推し進める流通の革命「オムニチャネル」とは!?も併せてご覧ください)

 

1‐2.ナビゲーションの活用

 

オーストラリアのベンチャーであるIndoo.rsはサンフランシスコ国際空港国際線第2ターミナルにおいてiBeaconを300個設置して空港内のナビゲーションサービスの実験をし、視覚障碍者に向けたナビゲーションアプリを提供しました。

 

空港や駅構内のような大規模空間のiBeaconの導入実験は世界中で行われています。今後の発展に期待したいですね。

 

1‐3.決済関連での活用

 

iBeaconを決済手段として活用してる事例としてはGMO PAYMENTのサービスであるGMO palletがあげられます。これは東京・渋谷を中心とした決済サービスで、GMO palletアプリをダウンロードしたスマートフォンをレジ横の超近距離型のiBeaconにかざすことで決済をするものです。

 

140919ビーコン

 

おサイフケータイみたいなものですね。

モバイル決済についてより詳しく知りたい方は「モバイル決済とは何か?3つの種類とその特徴」も併せてご覧ください)

 

2-1.地磁気を利用した測位

 

地磁気を活用した位置情報サービスは屋内や地下でも位置を確認できる事から最近注目を受けています

これは、建物内におけるその鉄筋が形成する磁場を利用した位置情報サービスです。

 

磁場というのは、場所によって微妙に異なるものです。その異なる磁場を事前にデータベース化しておき、スマートフォンにおける磁気センサーで測定したデータと比較します。その比較具合によって現在位置を測定できるというわけです。

 

これには2つのメリットがあります。

  • 位置情報を発信する専用機器の設置が不必要
  • ユーザーも現在持つスマートフォンで応用可能

 

地下街などでは複雑な権利体系のためにiBeaconなどを設置するのは非常に難しいと言われています。しかしこの地磁気を利用した位置情報サービスだと、そのような事を心配する必要はありませんし、設置のコストもなくなります。

 

地磁気測位を活用したサービス事例

 

フィンランドのオウル大学発のIndoorAtlasはこの地磁気測位を使ったナビゲーションアプリを提供しています。これを使用した際、鉄筋建物内では位置の誤差が2メートルにとどまるという高精度のサービスになっています。

 

indoor-atlas

 

今後この地磁気測位を使ったサービスが普及する事に期待できると思われます。

 

2-2.可視光を利用した測位

 

これは、天井に設置されたLEDの光の強度を調節し、人間が感じ取る事が出来ない速さで点滅させる事で特定の信号を送り、スマートフォンのカメラセンサーでその信号を読み取る事で即位を行います

 

これを使う事で1メートル前後の高い精度で位置情報を受け取る事が出来るのです。

 

可視光即位を使う事の大きなメリットとして以下があげられるでしょう。

 

  • 人体への影響が限りなく少ない
  • 既存の照明のスペースと電源を利用できる

 

 

可視光測位を利用したサービス事例

 

GE LightingとベンチャーであるByteLightは米国の小売業界で売り上げ一位を誇るWal-Martに可視光測位が利用できるLEDを提供を開始しました。

 

これにはAppleのiBeaconも組み込まれているので、より正確な位置を把握できるようになります。またそれだけでなく一定の距離に入ると、その商品のクーポンや商品情報をプッシュ通知されるようになるのです。

ダウンロード

3.ウェアラブル端末の使用-未来はどうなる?

 

近年ウェアラブル端末が大きな注目を集めていますが、これにおいてもユーザーのデータを得る事が出来るようになります。しかもそのデータは今まで取ることの出来なかった、脈拍や潔白などの生体データなので、ヘルスケアや医療などにも応用が見込まれています。

 

NRIの出す「ITロードマップ2015」によれば、こうしたデータが蓄積する事によって、2020年には位置情報とその人の趣味嗜好やその時の身体状況を合わせた、つまり、より個人のコンテキストにあったマーティングが出来るようになるとの事です。

4.位置情報サービスの課題

 

課題は2点考えられます。

  • プライバシーの問題
  • 単一の位置情報サービスにならない可能性がある

 

4-1.プライバシー

 

やはりプライバシーの観点が懸念されています。

居住地や職場、お気に入りの場所など、生活者の行動を可視化できる可能性があるため、使い方を間違えるとプライバシーの侵害になる恐れがあります。

 

しかしこのプライバシーの観点では企業と消費者はトレードオフの関係と言えるでしょう。つまり企業に偏りすぎると、プライバシーの問題が浮き彫りになり、消費者側に偏りすぎるとあまり効力のあるサービス展開が出来なくなるのです。

 

適切なデータの使い方が今後の肝になるという事ですね。

 

4-2.サービス氾濫の可能性

 

また異なる企業やサービス主が異なる測位技術を使ってサービスを展開してしまうと、単一のサービスですべてが複合された位置情報サービスを利用する事が難しくなります。

 

つまり、地上ではGPSを使ったサービス、地下では地磁気を使った位置情報サービス、商業施設では可視光を使ったサービス、、、といったようにユーザーが異なるサービスを使い分けなければならない可能性も出てくるわけです。

 

これではユーザーの利便性が少ないでしょう。

このような面倒を回避するためにも、複数サービスを一つの場所で利用できる位置情報のプラットフォームを形成する事が今後の課題になると考えられます

5.まとめ

 

iBeacon、地磁気測位、可視光測位を使った位置情報サービスの発展

→O2Oやオムニチャネルなどのマーケティング、ナビゲーション、決済などの様々な分野でのサービス活用の可能性

 

マップアプリなど位置情報サービスは普段何気なく使っていますが、このサービスもかなり進化している事がお分かりいただけたでしょうか。

 

今後の世界はどのように変化していくのでしょうね。

それを想像するととてもワクワクします!今とは比べ物にならないくらい便利な社会になりそうですね!

 

参考:NRI「ITロードマップ2015」、O2O INNOVATION LAB