Uber、Airbnbに見る新たな消費の形「シェアリングエコノミー」とは?



「所有から共有へ」。こうした消費における大きな変化が最近注目を集めています。テクノロジーの発達により所有するのが当たり前だった様々な財、サービスを共有しようという動きが増えてきました。今回はそうした経済活動を指す「シェアリングエコノミー」について紹介していきます。

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シェアリングエコノミーとは?

 

シェアリングエコノミーとは、「提供者が所有するモノ、サービスを、利用者が共有することにより成り立つ市場経済の仕組み」(http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140616/402920/?P=1)のことです。

もともとご近所の知り合い同士でしか行われていなかったモノの貸し借りが、ソーシャルメディアが発達したことにより、全く見知らぬ個人間で共有することが出来るようになりました。

シェアリングエコノミーのサービスは主にアメリカで生み出されました。以下にその例をご紹介します。

1.Zipcar

http://www.zipcar.com/

カーシェアリングサービス。通常のレンタカーは1日単位で車を借りることになるが、Zipcarでは時間単位で借りることが可能。

2.Airbnb

https://www.airbnb.jp/

サンフランシスコ発祥の宿泊プラットフォーム。現地の人(ホスト)が所有する空き部屋を宿泊施設として登録し、宿泊場所を探す旅行者などとマッチングさせるサービスです。単に宿泊するだけでなく、ホストとの交流が出来る点も魅力です。

3.Uber

https://www.uber.com/ja/

アメリカを始め、世界中で利用されている配車サービス。ユーザーがアプリで現在地を知らせるだけで、近くにいる契約ドライバーが駆けつけてくれます。

こうしたアメリカ発のサービスは世界中に拡大しています。例えばAirbnbに登録されている物件は世界全体で80万件にも上っています。

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日本のシェアリングエコノミー

もちろんシェアリングエコノミーの波は日本にも拡大していて、シェアリングエコノミーを展開する日本のスタートアップも続々と生まれています。

1.ラクスル

http://raksul.com/

印刷設備の「非稼働時間」を活用して、ユーザーが求める場所、納期、予算などを元に最適な印刷会社を提案するサービス。印刷比較サイトの運営によって稼働していない印刷会社をネットワーク化し、低価格でのサービスを実現しました。

2.akippa

https://www.akippa.com/

個人間で駐車場の貸し借りが出来るオンラインコインパーキングのサービス。ユーザーは空いているスペースを駐車場として貸すことで小遣いを稼いだり、簡単に駐車場を借りることが出来ます。

3.タイムズカープラス

http://plus.timescar.jp/

駐車場管理会社のパーク24が運営するカーシェアリングサービス。

他にも地域コミュニティに絞ったサービス(SHIBUKASA:渋谷における傘のシェアリングサービス)など、様々な領域でシェアリングエコノミー型のサービスが生まれています。

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シェアリングエコノミーがもたらす価値

こうしたサービスは従来の「所有」による消費生活にはなかった様々な価値をもたらしています。

  • 経済的価値

シェアリングエコノミーにおいては、C to Cの関係性の中で消費者の需給をマッチさせるモデルのため通常のB to Cモデルと比して、プロモーションなどの費用が抑えられるため金額を抑えてサービスを提供/利用することが出来ます。

  • 持続可能な社会への貢献

「遊休資産の活用」がシェアリングエコノミーにおいて肝になる部分であり、不要なモノやサービスを生産したり提供したりする必要がなくなるため、世の中の「ムダ」を省く事ができます。その結果、例えばカーシェアリングによって世界中に流通する車の量が削減されることにより、CO2の削減などが期待されます。

  • 新たなコミュニケーション

これまで全く面識のなかった人同士が、「モノ」の貸し借りを通じてコミュニケーション出来るようになります。Airbnbではホストが自宅の一室を提供しながらゲストハウスのような携帯でゲストと交流するという例もあります。ソーシャル時代だからこそ可能になった新たな人とのつながり方と言えます。

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シェアリングエコノミーが抱える課題

このように便利であることに加えて多くの価値を提供してくれるシェアリングサービスですが、同時にいくつかの課題を抱えています。

  • 信頼性の保証

「モノ」を共有するには個人間のコミュニケーションが不可欠であり、相互の信頼がないと成り立ちません。ネット上で契約を行うことがほとんどなので、信頼性をいかに担保するかが問題になります。例えばインドではUberのドライバーが乗客を暴行する事件が発生し、営業停止になるという事例もありました。

  • 既存のサービスとの軋轢

例えばUberに登録されているドライバーは、タクシー業界の定める条件を満たす必要がないため、タクシー業界からの強い反発を呼んでいます。2014年6月には、欧州各地でタクシードライバーによる大規模なデモが起こりました。

  • 法的規制:

現行の法律がサービスに追いついていないという問題もあります。旅館業法では、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」を規制対象としており、Airbnbに登録されている宿も含まれる可能性があります。もし規制対象となれば営業には許可が必要となり、食事を提供する際には食品衛生上の手続きも必要となります。

国ごとにこういった法規制などは異なる部分があり、ある国ではうまく行ったが、ある国ではうまくいかないといった課題が出てくる可能性があります。

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シェアリングエコノミーの可能性

上述したように、シェアリングエコノミーは、より効率的な社会を目指すために非常に有用なサービスであると言えます。一方で新しいサービスであるがゆえに様々な問題を抱えていることも事実です。しかし、これらの課題の中にはテクノロジーや仕組みで解決できるものもあり(例えばUberでは信頼性を保証するために、提供側に加えてユーザー側の評価制度も導入しています)一つ一つの課題に着実に対応していくことでより社会に適した形で普及していく可能性が高いと考えられます。

Uberは2014年12月に時価総額約4.8兆円に達する(これはユニクロを展開するファーストリテイリング社に匹敵するほどの額)など、市場においても、絶大な評価がされています。Uberの時価総額が示す通り、シェアリングエコノミーという分野は、今後もますます発展していくことが予想される期待の分野といえるでしょう。