日本発、世界へ羽ばたくスタートアップが集結!Morning Pitch Special Edition レポート



2015年12月17日(木)に、日本から世界へ、宇宙へ挑戦するスタートアップのピッチイベントが行われました。非常に熱い想い、素晴らしい技術をもった企業が集まっていました。今回はその模様や、参加企業についてレポートします。

 

Morning Pitchとは

「Morning Pitchは、毎週木曜AM7時から開催している、 ベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的としたプレゼンテーションイベントです。 毎週5社の成長ポテンシャルの高いベンチャー企業が、大手事業会社・メディア・VCのオーディエンス企業約100名に対しプレゼンテーションを行います。 2013年1月から開始し、2014年8月時点で累計300社超のベンチャー企業が登壇しています。 トーマツベンチャーサポート株式会社、野村證券株式会社の2社が幹事となり開催しています。」(Morning Pitch 公式HPより引用)

今回レポートするのは、その中でも年に一度開催される大型のイベント「Morning Pitch Special Edition」です。「世界に挑戦するベンチャー企業特集」をテーマに、日本から世界基準の企業と成長すべく挑んでいる7社のベンチャー企業が登壇し、審査が行われました。

以下、登場した企業を登壇順にご紹介します。

 

参加企業紹介

seven dreamers laboratories

seven dreamers laboratories」は、「世の中にないものを創り出す技術者集団」として、最先端技術を用い、人々の生活に役に立つプロダクトを開発している会社です。現在3つのプロダクトが開発されています。

一つ目は、完全オーダーメイドのカーボンゴルフシャフトです。顧客のスイングを3Dで測定し、シャフトのしなり、ねじれなどを分析・計算します。そのデータを元にシミュレーション解析を行うことで、世界にたった一つしかない最適なゴルフシャフトを導きだします。こちらは2014年に販売を開始し、すでに中国やアメリカに展開されています。来年には東南アジアにも展開します。

スクリーンショット 2015-12-17 20.55.21

二つ目は、過去に当サイトの「睡眠不足を解決するスタートアップ」でも紹介した、使い捨て鼻腔挿入デバイス「ナステント」です。生活習慣病を引き起こす可能性もある、いびきや無呼吸症候群などの睡眠における障害に関する対策がほとんど進んでいないことに問題意識を抱き開発されたもので、鼻に挿入するだけでいびきや無呼吸を防げる医療器具です。すでに約800の医療機関で導入されており、来年にはフランス始め海外にも展開していく予定です。

スクリーンショット 2015-12-17 20.55.29

三つ目は、全自動洗濯物折りたたみ機の「ランドロイド」。一人の人間が洗濯物の折りたたみ、収納にかける時間は一生で約375日分といわれており、この時間を短縮することでより良い人生を創造することを目的とした機械です。画像解析技術とロボティクスの技術を活用しており、衣料の種類や、その持ち主までもを認識して仕分け、折りたたむことが可能です。

スクリーンショット 2015-12-17 20.53.56

こうしたプロダクトには最先端の測定技術が共通して活用されています。

Liquid

Liquid」は、利便性と安全性を両立する次世代の生体認証技術を開発し、サービスとして提供しています。専用端末で指紋を登録し、クレジットカードなど様々な個人情報を紐づけるだけで、その管理、運用ができるといった今までの常識を覆すようなサービスです。運営会社ですら個人のIDを特定できないような仕組みになっているので、このIDが他人に知られても悪用されることはありません。またこちらは指紋決済など応用領域が非常に広く、「IoP(Internet of Person)」プラットフォームとして非常に大きな可能性を秘めています。

総務省などとも協力を行っており、もちろん東南アジアなど海外にも展開しています。

H2L

スクリーンショット 2015-12-17 20.59.20

H2L」は東大発ベンチャーで、VRコントローラ「Unlimited Hand」を開発、展開しています。このVRコントローラのすごいところは、腕に巻いて使用するとVR内の触感が得られるということです。たとえば銃を打つゲームでは、打った反動が電気刺激により筋肉に伝えられるようになっています。この技術は世界的に注目され、クラウドファンディングサイトkickstarterでは、応募開始後1日で目標額の調達に成功したそうです。

今はVRといえばゲームのイメージが強いとは思いますが、同社はバーチャル時代のデファクトスタンダードのような存在になることを考えており、ゲーム以外の様々な領域での活用を構想しています。例えば、琴を弾いたことがない人でも、このコントローラをつけると電気信号により指が勝手に動いて琴を弾けるといったようなもの。このように口では伝えられないような伝統技術の伝承などがあります。

エルピクセル

スクリーンショット 2015-12-17 21.00.34

エルピクセル」は、人工知能を用いたがん診断支援ソフトウェアの提供を行っています。現在、がんは最も大きな病気の一つで、日本では3人に1人ががんで死亡します。にもかかわらず、がんの誤診率は10〜30%にも上るそうで、同社はこの問題を解決すべくこのソフトウェアを開発しました。国立がん研究センターとの共同開発により特許を獲得し、病院へのライセンス販売というビジネスモデルで事業を展開しています。

テラモーターズ

スクリーンショット 2015-12-17 21.01.38

テラモーターズ」は、EV二輪、三輪の製造、販売を行っています。はじめから世界で戦うことを前提に創業された、ボーングローバルなスタートアップです。新興国の環境問題を解決するために、東南アジアやインドを中心に、電動バイク販売などの事業を展開しています。

代表の徳重氏の思いは熱く、プレゼンでも「日本企業の世界に対するプレゼンスは低い。日本発の企業でも世界規模に成長できることを証明したい」と語っていました。

SORABITO

スクリーンショット 2015-12-17 21.02.53

SORABITO」は、産業機械のオンラインマーケットプレイス「ALLSTOCKER」を展開しておりALLSTOCKERを「大型、高額商品のAmazon」とする目標を掲げています。よりよい暮らしの実現のためには、インフラ整備に使われる産業機械が不可欠ですが、これまでその取引は対面といったアナログの形式でしか行われていませんでした。それを同社はオンラインでの取引を可能にすることで、効率化を実現しています。日本で作られた建機は、国内で償却を終えても、海外基準でみたら新品同様に使えるということがあるらしく、現在はインフラ投資が盛んな東南アジア諸国をメインターゲットとして展開しています。

アクセルスペース

スクリーンショット 2015-12-17 21.06.05

アクセルスペース」は、H2Lに引き続き東大発ベンチャーで、超小型宇宙衛星の会社です。超小型衛星の登場をきっかけに、一企業が衛星を所有できるようになったため、衛星を利用した幾つかのプロジェクトが始動しています。例えば、ウェザーニュースとの、北極海域の海氷の観測を目標としたプロジェクトや、ALEという会社との、人工流れ星を発生させるプロジェクトなどが始動しており、その領域はエンターテイメントにまで及んでいます。

2013年には「アクセルグローブ」という壮大なプロジェクトも始動しました。これは、これは50機の超小型衛星を打ち上げることで、地球上の全領域の45%に当たる範囲のデータを毎日計測できるようにするもので、この範囲は人間が経済活動を行う範囲に相当するそうです。まさに「地球観測による情報インフラ」であり、地球上のデータを蓄積することで、今後何が起こるかを予想できるようになる可能性を秘めています。

 

まとめ

以上7社のプレゼンが行われた結果、オーディエンス賞を「H2L」が、大賞を「テラモーターズ」が受賞しました。しかしどの企業も最先端テクノロジーを用いた非常に魅力的なもので、世界レベルに成長するポテンシャルを感じました。中には世界を飛び越えて宇宙に挑戦している企業もあり、スケールの大きさを感じました。

このようなスタートアップのピッチイベントは、非常に多くの発見をもたらしてくれると思います。無料で誰でも参加できるものもあるので、皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか。