株式会社パネイル

電力業界に新風「電力×インターネット」のパイオニアとして注目を集める急成長スタートアップ

AIとビッグデータを活用して独自開発した電力流通プラットフォーム「Panair Cloud(パネイルクラウド)」の運営開発を軸に、事業を展開するパネイル。最安水準の電力の安定供給を実現し、「電力×インターネット」という新領域で実績を積み重ねている。業界内で圧倒的なユニークネスを持ち、独自のポジションを確立している同社。最新のテクノロジーによる電力ビジネスのアップデートを目指し、大きな成長を続けている。

日本の電力業界では戦後長らく、電力の安定供給に主眼が置かれ、電力の地域独占供給が認められており、供給原価に基づき電気料金が決められる総括原価方式が適用されていた。そのため、法律によって一定の利益率が保証される電力会社は、市場の競争原理にさらされることがない。結果として、日本の電気料金は世界有数の高さになっている。それが東日本大震災を契機に、競争原理を電力市場にも導入しようという目的で、2016年4月に電力小売りの全面自由化がはじまった。しかし、その参入には莫大なシステム投資が必要となるため、大手企業のように潤沢な予算のない新規事業者にとっては障壁は高い。そんななか、自ら電力小売供給基幹システムを構築し、国内唯一のインターネットプレイヤーとして業界に参入したのがパネイルだ。

同社が研究開発を重ねてきた電力流通プラットフォーム「Panair Cloud(パネイルクラウド)」は、電力小売事業者が利用するクラウドサービスだ。AIを核とするクラウドシステムで、電力小売領域の営業活動・顧客管理・需給管理・電源調達・請求処理など一連のプロセスを一気通貫で運用できる。フローごとにシステムが異なり、マンパワーに頼った運用を前提とした従来の運用を刷新し、電力事業に必要な各種業務のオペレーションを大幅に効率化。販売管理費率を業界平均の3分の1まで下げ、電力流通コストの大幅な削減を実現させている。モダンな技術で電力小売市場のIT基盤を置き換え、日本で初めてインターネットを通じて最安水準の電力の安定供給を成功させた同社に、業界からは大きな注目が集まっている。累計資金調達額も60億円となっており、同社の展開するビジネスへの期待の高さをうかがい知ることができる。

最先端技術を軸とする先進性と、地域密着で足元を固める堅実さが大きな強み

創業者の名越達彦氏(代表取締役社長)は、大学卒業後、株式会社ディー・エヌ・エーにおいて、営業、人事、マーケティング、エンジニアリングなど幅広い業務に従事。その後、株式会社エイチームの事業開発室長として全社新規事業を統括。2012年12月にパネイルを設立した。創業当初は「太陽光発電ガイド」という施工業者とユーザーを結ぶマッチングサイトを運営し、順調に成長を続けていたが、2016年4月の電力小売りの全面自由化という時流をとらえ、太陽光発電市場よりも圧倒的に大きなマーケットでの挑戦を決意したという。電力業界における既存のITシステムは、歴史の古いプログラミング言語で記述されており、機能拡張やメンテナンス、開発コストに課題があった。同社は、それをRubyベースで構築し、クラウドシステムへと一新することでイノベーションが生まれると予見。事業をシフトし、「パネイルクラウド」の研究開発に注力していった。

ところが、そこからは苦難の連続だったという。VCや金融機関からリスクの高さを指摘され資金調達がなかなかうまくいかない時期が続いた。さらには実績ゼロのシステムを導入する電力小売事業者もおらず、売上が立つ見込みが見えない厳しい現実にも直面した。そこで同社が取ったのは、地方を中心に自ら電力小売事業会社を設立し、導入実績そのものを自ら作り出すという決断だった。その結果として全国8ヶ所に電力小売子会社を設立。地域密着の営業活動を展開し、電力の流通実績を着実に積み重ねていったのだ。

「ITベンチャーらしからぬ最も泥臭い作戦を実行したわけですが(笑)、誰も手をつけなかったことをやりきって、全力で実証してきたことが、今のパネイルの一番の強みになっているのかもしれません。もし事業立ち上げ時期の資金調達などの苦労がなかったら、我々はここまで成長できなかったのではないかと思っています」(名越氏)

IT化の遅れている電力業界に初めてテックベンチャーとして参入し、後発企業が一朝一夕で築くことができないような大きな先発優位性を確保しているパネイル。現在も小売事業を展開している全国7社のグループ会社の存在も大きな強みだという。

「電気は実は地方性の強い商材で、地域ごとの商習慣のようなものが根付いています。当社が地方拠点を構え、収益基盤を築きつつその地方性を取り込んできたことは、電力というインフラサービスを提供するという意味では大きなポイントだったと思います。もちろん、業界にいち早く飛び込んだことで蓄積されている深い知見やビッグデータの量、そしてベンチャーならではのスピード感も、これから業界を変える大きな力になっていくはずです。最先端の技術を軸とする先進性と、地方密着で足元を固める堅実さ。この両輪で走ることができるのは、パネイルの強みだと自負しています」(名越氏)

次世代型エネルギープラットフォームによる“業界のアップデート”を目指し挑戦を続ける

パネイルの流通電力量は毎四半期右肩上がりで成長を続けており、電力ビッグデータも1億2000万件を突破している。電力小売事業で業績を伸ばしてきた同社だが、今後は本来のプラットフォーム事業に本格的に注力していくという。これまでグループ各社に導入されてきた「パネイルクラウド」を他の電力小売事業者にも展開し、電力ビジネス全体のアップデートを図っていくのが狙いだ。電気事業の新規参入者に対しては、データ連携を簡単にする技術仕様「API」をオープン化し、参入障壁を下げ、参入済みの事業者に対しては、電源調達やファイナンスの支援も実施していく方針だ。

また、2018年4月には、東京電力エナジーパートナーと共同で、電力・ガス小売事業を手がける新会社PinT(ピント)を設立。「パネイルクラウド」をベースに、低圧向けの「PinTでんき」の全国販売を開始。都市ガスについても関東エリアから提供していく計画だという。

「業界で対極に位置するプレイヤーと手を組んだことで分かったのは、当社のスピード感に大きな期待を寄せていただいており、電気やガスの料金が安くなるということ以上に、スピードこそが大きな価値だということです。エネルギー業界の重厚長大なプレイヤーを加速させて新しい価値を生み出す土壌をつくっていくことが当社のミッションだと感じています」(名越氏)

電力小売市場は16兆円規模と言われており、もちろん電力の発電や送配電などを含めたエネルギー市場はより大きなマーケットとなっている。そこに唯一のインターネットプレイヤーとして参入し、業界のアップデートに取り組んでいるパネイル。さらなる大手企業とのアライアンスや大型資金調達を計画中だという同社の今後の展開に期待が高まる。

「パネイルは電力の小売からスタートしましたが、発電や送配電についても合理化を進め、業界のバリューチェーン全体をITで最適化するプレイヤーになっていきたいと考えています。電気代やガス代が下がり、お客様にとっても、電力会社やガス会社にとっても、技術を活用してもらえる当社にとっても三方よしの状況を生み出せるように努力していきたいというのが一番の思いです。もちろん企業ごとに様々な工夫も凝らしていますので、業界全体のことを考えて取り組んでいきたいですね」と名越氏は力を込める。

「ど真ん中を攻める」スタートアップに、多様なバックボーンを持ったプロフェッショナルたちが集結

「世界中のエネルギー市場に最先端のEnergyTechを。」というミッションを掲げ、新たな挑戦を続けているパネイル。インフラという社会基盤をアップデートし、事業の社会価値を追い求める自社のスタイルを、名越氏は「ど真ん中を攻める」と表現する。そのメンバーには意外にも電力業界出身の人間はほとんど在籍しておらず、代表の名越氏をはじめ、ITや金融、人材系など多様なバックボーンを持つメンバーが集まっている。異分野のプロフェッショナルが一堂に会し、電力業界のなかで独自のアプローチができる点は、同社の大きな強みにもなっているに違いない。

「当社はまだまだ小規模な会社で、サービスもスタートアップがつくるような代物ではないとよく言われるのですが(笑)、社会を動かすような大きな目標に向かって全力で取り組んでいます。だからこそ、ベンチャーならではの躍動感のようなものを肌で感じられるはずです」

同社の求める人物像は、既成概念にとらわれない人。レガシーな業界だからこそ、新しい発想と仮説を持ってそれを具体的に形にしていける人が求められる。

「大きな絵を描いて難易度の高いサービスづくりに挑戦している限り、とにかくプロフェッショナルを中心とするチームであるべきだと考えています。今いる業界で充分に活躍しているにも関わらず、あえて新たな業界に飛び込んでさらに大きな価値を生み出していきたいというチャレンジ精神や覚悟を持った、力強いプロフェッショナルの方にご参画いただきたいですね」(名越氏)

全国にある各拠点も含め、組織は急拡大中。エネルギー業界のなかでユニークなポジションを確立しつつあり、「ど真ん中」を攻め続けるパネイル。社会基盤の変革に向けて、もう一段階上の新たなステージで自分の実力を発揮してみたい方にとっては最高にエキサイティングな環境ではないだろうか。

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企業詳細情報

社名 株式会社パネイル
所在地 東京都千代田区丸の内 1-9-2 グラントウキョウ サウスタワー 17F
URL https://corp.panair.jp/
社員数 80名
平均年齢 34歳
経営理念ビジョン 世界中のエネルギー市場に最先端のEnergyTechを。
価値観・求める人物像
    下記に共感頂ける方
    ・TEAM PANAIR
    高い目標と緻密な思考で、個ではなく組織で戦うプロフェッショナル集団である。
    ・ど真ん中へ向かう
    志高く、世の中を大きく変革していく、という矜持を持つ。
    ・変化を恐れず、
    スピーディに進化
    業界トップランナーを目指し、現状に満足せず、常に向上心を持って上を目指す。
    ・笑顔の最大化
    謙虚な心と思いやりを持ち、社外ではお客さま目線で、社内ではチームワーク重視で取り組む。
    ・最後の砦となる
    お客さまの生活に必要不可欠なものを提供していることを忘れず、マイボール意識を持ちコトに向き合う。
経営者プロフィール 名越 達彦 Tatsuhiko Nagoshi

東京工業大学工学部 開発システム工学科卒。
在学中、人力飛行機の設計に従事し、鳥人間コンテスト人力プロペラ機部門に出場、技術統括としてチーム初の優勝に貢献。
株式会社ディー・エヌ・エーにおいて、営業、人事、マーケティング、エンジニアリング、など幅広い業務に従事。
その後、IT企業の事業開発室長として全社新規事業を統括、同社の新規売上基盤の構築に従事。
2012年12月、株式会社パネイル創業、代表取締役社長CEO
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